「イクステンション」って何でしょうか?ちょっと考えてしまいますね。ネイルサロンでのイクステンションとは「爪の長さの延長」です。専用のジェルやアクリルを使って造形したりチップを張り付けて長くします。今回はプロネイリストがイクステンションについてご紹介します!
イクステンションとは?
イクステンション=爪の延長
イクステンション(extension)とはもともと英語で言うと「長くするもの」という意味です。
extension
何かを長くしたり大きくしたりするために、追加されるもの
参照:Cambridge Dictionary
ネイルサロンではエクステンションでは「長さの延長」のことを指します。
爪の造形。「延長する」等の意味。人工的に爪を作る技術のこと
引用:JNA TECHNICAL SYSTEM BASIC
簡単に言えば「人工的に延長させるネイル」ということです。
通常爪は自然に伸びていくのを待ちます。
1ミリ伸びるのに約10日かかるといわれています。
一方で、イクステンションをすることで、ほんの数分で爪を延長(伸ばす)ことができることができます。
ネイルのイクステンションはそういった技術のことを指しています。
ちなみにネイル業界ではイクステンションのことを「長さだし」と呼ぶことが多いです。
イクステンションの種類は主に2つある
イクステンションの種類は主に2つあります。
1.スカルプチュア(アクリルやジェルで1から造形する)
2.チップ&オーバーレイ(チップを付けてその上にジェルやアクリル、レジンなどを塗る)
それぞれ使う材料や道具も違ってくるのですが、見た目は結構同じです。
違うのが「強度」です。
強度はスカルプチュアのほうが強いのでネイルサロンでは1のスカルプチュアをすることが多いです。
一方で、チップオーバーレイもネイルサロンでやることが多いのですが強度は若干弱め。
爪が折れたりして極端に短くなった場合などに使うことが多いです。
さらに最近では「ポリジェル」や「フォーミングジェル」のように、チップの裏に直接ジェルやアクリルを塗って、長さを延長するイクステンションンのやり方もあります。
イクステンションジェルとは?
イクステンションジェルとは爪の延長に使うアイテム
イクステンションジェルとは爪の長さの延長に使われるアイテムのことです。
スカルプチュアやチップオーバーレイなど、イクステンションの技術に使用する、長さや高さを出すことのできるジェル
引用:JNA TECHNICAL SYSTEM Gelnail
ジェルネイルにもいろいろな種類がありますが、イクステンションに使う場合、専用のものを使う必要があります。
ネイルサロンでは以下のようなジェルを使います。
- スカルプティングジェル
- イクステンション
- ビルダージェル
- ハードジェル
- 長さ出し用ジェル
呼び方はメーカーによって様々。
特に今は「1個3役」といったように、1個のジェルでいろいろな効果を持つアイテムが多くあります。
もしイクステンション用のジェルを購入する場合には「爪の長さの延長」ができるかどうかきちんと確認してから購入するようにしましょう。
イクステンションとハードジェルの違い
違いはリムーバーで「オフできるか」どうか?
イクステンションジェルとハードの違いって何でしょうか?
一番大きな違いは「リムーバーでオフできるかどうか?」です。
ネイルサロンで人気のソフトジェルは「リムーバー」を使って落とします。
一方でハードは「リムーバーでオフできない」ジェルのことです。
ソフトに比べて硬く、強度があります。
そのため長さや高さを出すために使われ、もちろんイクステンションもできます。
しかしリムーバーで柔らかくならないため、落とす場合はファイルやネイルマシーンで削ります。
ハードジェルを直接塗ると落とす場合に削り取らなければならないのでオフが大変ですし、頻繁に行うことで爪を傷めることが多いです。
そのためネイルサロンでもハードジェルを直接爪に塗る、ということはやらなくなってきています。
一方でイクステンションジェルの多くは「リムーバー」で落ちるものが多いです。
手軽に落とせることからネイルサロンやセルフネイラーにも人気があります。
ちなみにハードはネイルサロンでは「トップジェル」として利用する機会の方が多いです。
イクステンションの強度をUPするために最後にハードジェルでコーティング。
こうすることで折れにくいイクステンションを仕上げることができます。
イクステンションジェルを使った長さ出しの方法~スカルプ
今回はイクステンションの中でも1から爪を造形する「スカルプチュア」のやり方をご紹介します。
イクステンションをやる方法はざっくり分けてこんなな感じです。
1.プレパレーション(下準備)
2.ベースジェルを塗る
3.フォームを付ける
4.硬化→外す
5.形を整える
では早速ご紹介します。
1.下準備をする
まず通常のジェルと同様に爪のプレパレーションをします。
プレパレーションとは「下準備」のこと。
具体的には「爪の上についた角質をきれいにする」ことです。
角質がついているとジェルが数日ではがれてしまうのでネイルサロンでも必ず行います。
実はこの作業をしっかりやるかどうかがジェルの持ちに非常に影響してくるので大切な工程なんです。
ネイルサロンでは「ドライケア」と言って角質をきれいにするプレパレーションが一般的です。具体的には以下の通り。
1.爪の形整え(専用やすりを使って整える)
2.ブルーポイント(ネイルマシン)やセラミックプッシャーで角質をきれいにする
3.ダストをブラシなどできれいにする
コツは「角質を残さない」ということ。
メタリックプッシャーなどで最後に爪の上を軽くこすってみて引っかかりがなければOKです。
ちなみにセラミックプッシャーはやりすぎると薄くなってしまうので
角質のみをきれいにするようにします。
2.サンディングする
サンディングとは「爪の表面に傷をつける」ということ。
スポンジファイルを使って全体的に爪を軽くこすって傷をつけていきます。
こうすることでジェルの持ちが非常によくなります。
3.ベースジェルを塗る
プレプライマーで爪をきれいにしたら次にベースジェルを塗っていきます。
ベースジェルを塗った後はライトで規定の時間硬化します。
フォームを付けるタイミングはベースジェルを
塗る前
塗った後
この2つがありますが正直どちらでもいいと思います。
私の場合、ベースジェルがベタベタするのが嫌ですし、ゴミがつくといけないのでフォームつけを最初に済ませてしまいます。
もちろん、フォームを付ける場合はできるだけ油分を避けるために爪を触らないようにしましょう。
3.フォームをカットする
次にフォームを指先に装着していきます。
フォームとは「人工爪」を作るための土台になるもの。
この上にイクステンションジェルを載せて作っていきます。
指先から見て、自爪とフォームの間に隙間がある場合は、カットして調整します。
やり方は以下の通り。
1.フォームを軽く丸めて指に当てやすくします。
2.爪を指の間にフォームを差し込みます(優しく)。フォームには線が書かれているのでこの線とストレスポイントが合うように調整します。
3.イエローライン(フリーエッジの境目の部分)とフォームの線を確認し、イエローラインんに沿ってフォームをカットしていきます。
4.爪とフォームの間に隙間なくきれいにはまったらフォームを装着します。
5.横から見たときに、自然な丸みでフォームがはまっていたらOKです。
フォームをカットするときは一度にカットするとあっと合わなくなってしまうので少しずつカットするようにしましょう。
4.イクステンションジェルを塗る
次にイクステンションジェルを塗って人工爪を作っていきます。
1.イクステンションジェルを爪の先端部分に載せます。
2.伸ばしたい長さまでジェルを伸ばしていきます。
3.サイド部分にもジェルを伸ばします。
4.形が整ったら硬化します。
5.次に全体の厚みを出します。爪の中心にイクステンションジェルを載せ、前後に広げ形を整えた後、ライトで硬化します。
6.ハイポイントを出します
甘皮近くにイクステンションジェルを載せ、形を整えます。
横から見たときにハイポイントが来るように形を整えます(足りなければジェルを追加)
7.ライトで硬化します
5.フォームを外して爪の形を整える
硬化した後はフォームを外して未硬化ジェルを拭き取ります。
ファイルを使って爪の形を整えましょう。
表面に凹凸ができてしまう場合もあるのでその場合も表面を少しずつ削ってなめらかにします。
ファイリングが完了したらダストブラシを使ってダストをきれいにします。
さらにジェルクレンザーなどをワイプに染み込ませて表面を拭き取りきれいにします。
9トップジェルを塗る
ライトで所定の時間硬化して未硬化ジェルを拭き取ったら完了です。
アートをする場合は再度ベースジェルを塗ってから
イクステンションジェルを載せた後にアートをしたい場合には
再度ベースを塗ります。
アートをした後はもう一度トップジェルを塗って仕上げます。
イクステンションの一番の弱点は「強度」。
特に爪の根本部分が折れやすい(ストレスポイント部分)ので要注意です。
ネイルサロンでは強度を出すためにトップジェルはハードタイプを使うことが多いです。
イクステンションのメリット
イクステンションで理想の長い爪にできる
ネイルサロンでも人気のあるイクステンション。
ここではメリットについてご紹介します。
- 理想の爪の形や長さを手に入れることができる
- 強度がある
- 折れやすい場合は保護ができる
実際に使用するのは
イクステンションやビルダージェル、またはハードタイプといったように
通常よりも硬さや強度があるジェルです。
そのため、イクステンションは理想の長さや形に爪を造形できるだけではなく
その強度を生かして
爪が折れやすかったり薄かったりする場合の強度をUPさせたり指先の保護ができる、というメリットがあります。
とはいえ最初はいきなり長くすると慣れていない分、日常生活に支障をきたすことも。
さらにストレスポイントに負担がかかるため長くする場合はネイルサロンで相談しながら長さを決めるようにしましょう。
イクステンションってどこでできるの?
まずはネイルサロンでやってもらおう!
イクステンションを自分でやってみたい!という方はまずはネイルサロンでやってもらうのがおすすめです。
実はイクステンションはネイルでも高度な技術の1つ。
ネイリストが受ける検定の中にもジェルを使用した長さ出しの実技試験があります。
独学だと、確かに手っ取り早いですが根元から折れやすかったり、浮いてきてしまいやすかったりとトラブルになることが実は多いです。
そのためやり方を含めてネイルサロンで一度やってもらってから、もしくはネイルスクールなどで教えてもらってから自身でやる、というのがおすすめです。
実は私自身もネイルスクールで専用コースを受けましたが実は一番難関だったのが「フォームつけ」でした。
綺麗で折れにくく強度があるイクステンションをマスターするにはネイリストでも時間がかかりますので体験したい方はぜひ一度ネイルサロンへお越しください!
イクステンションに関する関連動画紹介
イクステンションに関する関連動画をご紹介します。
どれもプロネイリストだけでなく、セルフでネイルを楽しむ方に役に立つ情報となっていますのでぜひご覧ください↓
動画1
ジェルネイルでイクステンションをする動画です。非常にわかりやすいですしプロでも参考になりますので是非ご覧ください↓
動画2
海外で大人気のネイル動画。チップの裏に付けて簡単にイクステンションができる「ポリジェル」を試した動画となっています。見ているだけでも非常に勉強となりますので是非ご覧ください↓
まとめ
今回はイクステンションについて、具体的な種類や、やり方、ジェルの種類
さらにはメリットなどをご紹介しました。
イクステンションは「爪の延長」を指します。
ネイルサロンでは「長さだし」と呼ばれています。
具体的には
1.スカルプチュア(1から造形する)
2.チップオーバーレイ(チップを着けて上からネイルをする)
といった方法があります。
さらに最近ではチップの裏にジェルを塗ってするやり方もあります。
さらにジェルについてもご紹介しました。
長さ出しには専用のジェルを使います。
呼び方はビルダージェルなど様々ありますのでセルフでやる場合には
長さだしができるかどうか、確認することが大切です。
イクステンションは自分でもできますが実は高度な技術が必要となります。
まずはネイルサロンでやってもらって、やり方を見てからご自身でやってみるのがおすすめです♪
イクステンションで理想の指先を手に入れちゃいましょう!
今回は以上です。
ここまで読んでいただきましてありがとうございました!